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2016.11.12

京都の路地の放射線量マップが完成! 「知る」「つくる」「アクションする」 Safecast ワークショップレポート 【後編】

FabCafe Kyoto編集部

2016年10月23日 MTRL KYOTO(マテリアル京都)にて行われた、Safecast(セーフキャスト)によるワークショップ 「知る・つくる・測る。放射線との正しいつきあい方を学ぼう」 レポートの後編です。
前編はこちら

市民活動を理解して「アクションする」セッション

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Safecast の歴代のガイガーカウンターがずらりと並んだ中央のテーブルは 本業では大手銀行のCTOを務める Pieter さんによる、Safecastと市民活動のことを学び、実際に「アクションする」セッション。

まず最初に、2011年の福島第一原発の事故直後に結成されたSafecastの成り立ちと歩みを具体的な数字を示しながら解説してくださいました。

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写真)1000以上のsafecastデバイスが流通し、70カ国で5400万件以上のデータを収集

Safecastは透明性のあるデータこそが正義という信条のもと、できるだけ多くの正しいデータを集めてオープンに可視化することに注力しています。

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図)SAFECAST マップ Safecastチームによって集められた、1800万箇所以上の放射線の測定値データを視覚化したマップです。

次に Pieterさんは、政府や企業にはできないような難しいことを可能にしようとする、Safecast の精神を日本古来の「七福神」に例えて説明しました。Safecastの興味深いところは、アーティスト、デザイナー、科学者、編集者まど、エンジニア以外のあらゆる職種の人が関わり、役割を持って活動していることです。

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このセッションの後半では参加者はひとりひとつずつの bGeigie Nano を持って京都の街を歩き、MTRL KYOTO 周辺の放射線量を測ります。

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ある参加者は自転車で、ある参加者はオートバイに乗って街へ繰り出してまだデータが刻まれていない細い路地を探索します。

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Joeさんのセッションで聞いた「石の裏」「大理石」などにも注目しながらガイガーカウンターを当てます(京都の街は放射線量は少なく安定していて、探索隊的にはちょっとつまらなかったようです)。

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みなさんが足で集めた bGaigie NanoのmicroSDカードに収められたデータを Safacastのデータベースにアップロードすると・・・。

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参加者のアクションで京都市街地の放射線量を可視化

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90分×3セッションが終わると辺りはすでに夜。長丁場のワークショップですが、Safacestメンバーのパッションとみなさんの好奇心(と甘いチョコレート)で、高い集中力で最後まで濃厚なワークを行うことができました。

最後にPieterさんがこの日の参加者が収集した放射線量データ”だけ”をマップに表示させます。

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こうして参加者全員が「京都の路地のデータ収集」というアクションで、Safacastの市民活動に具体的に参加することができたのでした。

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放射線量は局所的に高くなるケースもあるそうです。鰻の寝床のように細い路地が入り組んでいる京都市街地は、活動のやり甲斐がありそうですね。

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Safecast の Pieterさん、Joeさん、Robさん、精力的なワークショップをありがとうございました!

MTRL KYOTO もSafecastの活動に参加!

Safecastはメンバーが移動しながら放射線量を測定できるモバイルセンサーだけではなく、世界各地に固定型センサーの設置も進めています。
Real Time Radiation Monitoring

このたび、MTRL KYOTOは京都では初めての固定型センサーを屋外に設置して、Safecastの活動に参加することになりました。

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センサー自体の設置は、ワークショップの翌日、Safecast のJoeさんの手によって手際よく行われました。Safecastのヘルメットがクール!

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裸のセンサーが設置された後は、スタッフであるFabディレクター Connor の出番。レーザーカッターを使って木製の板を加工して MTRL KYOTO の外観にあわせたオリジナルの外装ボックスを完成させました。

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定点計測される放射線量は屋内の機器で確認できるのはもちろん、SafecastのWebサイトから常に確認することが可能です。

MTRL KYOTO にお越しの際にはぜひご覧ください。

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Japan, Kyoto, Kiyomizu-Gojo, MTRL | SAFECAST

ちなみに奈良県と三重県の県境にある固定センサーは Robさんの Kitty-Wood に設置されているセンサー。モバイルセンサーと固定センサーの両方によって、Safecastによって可視化されたネットワークは世界中に広がりつつあります。

MTRL KYOTOを運営するロフトワークでは引き続き、Safecastを応援するとともに、みなさんの参加できる魅力的なイベントやワークショップを企画したいと考えています。

どうぞお楽しみに!

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  • FabCafe Kyoto編集部

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