Event report

2019.2.28

みんなで作ろう我が家の味!サノライスの「味噌作り」ワークショップ

FabCafe Hida 編集部

「飛騨で取れた大豆とお米を使って、手作り味噌を作ろう」

皆さんは飛騨が、お米作りに適した土地だとご存知でしたか?
実は、お米の品評会で金賞をとるほど優秀な米どころなんです。

そんな飛騨でお米と大豆を作っている農家さんと一緒に、我が家だけの味噌を手作りできるワークショップが、1月27日FabCafe Hidaを会場に行われました。

今回のワークショップを主催し、講師を務めてくださったのはFabCafe Hidaのお隣にお住いのサノさんご夫妻です。

<Photo: サノさんの田んぼと畑です。>


飛騨では、米作りをされている方がご近所さんにいて、
「お米をください」と言ったら「玄米?白米?白米が良ければ今から精米してくるね」と、精米したてのお米を準備してくれます。地域の方にとっては日常のよくある光景だそうですが、米作りの盛んな地域ならではの、スーパーでは買えない、顔の見える買い物ができるのは嬉しいです。

前日から会場準備

サノさんご夫妻は、毎年2月は田んぼも畑も雪でお休みのため、東京や各地で自分たちの畑で採れた大豆と米麹をつかった、味噌作りワークショップをして回られているそうですが、実は近所でワークショップを行うのは初めてだったそうです。

さらに通常は4〜5人の少人数で行うことが多いため、今回の10人規模は初めてで、なおのこと緊張なさっていました。

そのこともあり、1ヶ月以上前の段階から綿密に打ち合わせを行い、前日はカフェ終業後の17時から1時間、ご家族全員で会場準備を行いました。

「お豆を沸かす場所はここでいいかな」「机を低くした方がみんな作業しやすかも」「明日はきっと寒くなるから、もう1個ストーブを借りてもいいですか」といった細やかな気配りに嬉しくなってしまいました。

ドキドキの当日

サノさんご家族みんなでお出迎えです。サノさんの娘のリンちゃんはこの日のために準備してもらったエプロンをつけてご満悦です。

続々とお客様がお集まりになり、会場はどんどん賑やかに。さらには炊きたてのお豆の甘い香りに包まれて、和室はより一層暖かい空間になっていきました。

いよいよ味噌作りワークショップスタート!

サノさんご家族より、サノライスの説明と、お味噌作りの流れを説明。>

誰でもみんなで楽しく作れるよう作り方はいたって簡単に、材料も「大豆・米麹・塩・豆の煮汁・種味噌」のみと材料も工程もシンプルです。その分素材の味と塩梅が決め手となります。

科学的には解明されていませんが、米麹や味噌を素手でかき混ぜる際その人それぞれ体の中に持っている菌の違いによって、その人ならではの「我が家の味」になっていくそうです。

サノさんのお話では、赤ちゃんがかき混ぜると、また一層違った味の美味しいお味噌が出来上がるそうです。「大人には出せない味」、面白いですね。

炊きたてのあったかい煮豆を潰してお好みの粒の大きさにします。

お子さまも奥様もみんなで一所懸命にかき混ぜます。サノさんご夫婦も大忙しです。

リンちゃんはスタッフと一緒にお味噌作りです。
でも、やっぱり製作時間2時間は元気盛りな子どもたちにはちょっと長かったですよね。

美味しいお味噌を作るには「ちょっと息抜きしながら」も大事です。

そろそろいい感じになってきたら、各自持って来ていただいた容器に「我が家のお味噌」を詰めていきます。詰め方や熟成させ方にもコツがあるそう。

つぶした豆を容器に詰めていきます。みんなきれいに詰め終えることができました。

完成!

特別編:おむすびとお味噌汁のランチ

もともとこのワークショップ、お味噌作りとお茶をいただくという内容だったのですが、サノさんからのご提案で「せっかくご近所なんだから、うちで育てたお米とお味噌をみなさんに食べてもらいたいな」と、手作りおにぎりとお味噌汁のついたランチ付きワークショップになったんです。

片付けが終わったら炊きたてのサノライスで、みんなでおむすびを作りました。お味噌汁の味噌は、サノさんが昨年大豆と黒豆をブレンドして仕込んだもの。

今回のワークショップは昨年東京で偶然ヒダクマスタッフがサノさんの味噌作りワークショップに参加したことがきっかけで実現しました。
飛騨の方々はいろんな場所に自分から発信する行動力もあって、素敵です。

子どもたちもパクパクと美味しそうに食べてくれました。サノさんのご友人が持ってきてくださった海苔も相まって、「美味しい!楽しい!」と賑やかなお昼ご飯でした。

当日会場には「サノライス」2種類のお米と、玄米甘酒の販売コーナーも設置。
「玄米甘酒」って珍しいですよね。もちろんサノさんの田んぼで取れた玄米を使用しています。玄米にはさらっとした歯触りのササシグレを使用しているそうです。お砂糖を入れなくても美味しいくらい、玄米の甘みと旨味を感じる一杯でした。


ちょっと大袈裟かもしれませんが、
『農家さんが育ててくれた旬の食材で、農家さんと一緒にご飯を作って食べ、直接その場で農家さんから購入できる』
今回のワークショップの内容をもし木工に例えるとしたら、
『山で木を育てて伐採し、製材乾燥して家具を作って、直接お客様に販売する』
ようなことなのかもと思いました。「農業って、実はすごくクリエイティブな職業だよね」という言葉を聞いたことがありますが、確かに。この時心から頷いてしまいました。

農業と山

サノさんとの会話から、農業と山も親密だなぁと思うエピソードがありました。

サノさん
「飛騨の山で木を切っているきこりの友人と話していて、田んぼに日光が落ちる時間が少しづつ短くなってきたって話が出て。飛騨で長く農業をしているご近所さんからは、昔は人の背と同じくらいだったスギやヒノキが、50年近く経った今では大きな森になったからか、昔と比べると山に近い田んぼの日照時間が短く感じるらしくて。山の状態によっては、貯蓄される水の量や成分も違ってきたり、少なからず影響はしあっていると思うんです。お米に限らず、どの作物にも日照時間とお水は重要ですから。」

そんなお話をしながら、サノさんは「農業も体験しながらお米を食べていただく」「棚田のオーナー制度」など、少しだけ将来のお話もしてくださいました。

今、FabCafe Hidaは主に山やFab、木のものづくりに関わっていますが、一見関係ないように見えて、何かを「つくる」ことはどこかで全部繋がっているのではと感じるエピソードでした。(実は東京はじめ世界中の「FabCafe」のコンセプトとも近い部分があって、面白いと思いました。FabCafe設立のコンセプトをWebページから引用して紹介します。

「Fab」という言葉には、大量生産やマーケットの論理に制約されない「FABrication(ものづくり)」と「FABulous(愉快な、素晴らしい)」の2つの意味が込められています。FabCafeは、その”Fab”スピリットをおいしく、楽しく、わかりやすく伝え、そして広めていく場所です。(FabCafeWebサイトはこちら。

 

サノさん、ワークショップや美味しいごはん、そして貴重なお話をありがとうございました。
参加してくださったみなさま、ご参加ありがとうございました。サノライスの美味しいお味噌を使ったお食事をお家で楽しんでくださいね。

今後もFabCafe Hidaでは、おいしく楽しいをやさしく広めていくワークショップやイベントを開催していきます。最新のイベント情報は、随時WEBサイトやSNSで発信しますので、チェックしてくださいね。


【概要】

「みんなで作ろう我が家の味!サノライスの「味噌作り」ワークショップ」

日時:2019年1月24日10:00-14:00
場所:FabCafe Hida

主催/講師:サノライス(佐野朋之・佐野亜由美)

2015年、東京より飛騨市へ移住し、米作りを始める。
無農薬・無科学肥料の稲作を学んだ長野県高山村の自然耕塾で「ごはんと味噌汁」という食事の素晴らしさについて学ぶ。
現在は米作りと平行して大豆を栽培し、自家製の米から作る米麹と自家製大豆での味噌作り教室も開催する。

インスタグラム:instagram.com/ringring1111

お米の購入やお問い合わせはLINE@からもお受けしております。(QRコードを読み取り、ご連絡ください。)

協力:FabCafe Hida


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