Event report

2022.7.4

飛騨の森で食材探しの山観日。採取したクロモジでクラフトコーラ開発中!

伊藤 優子

FabCafe Hida/Hidakuma 森のコミュニケーター

2022年6月13日、ヒダクマの森を開く山観日を開催しました。この記事では、この日、一緒に森に入った料理人の「MOTHER’S HOUSE」のマザーさんと、「ヒダノオクブルワリー」の霜出さんとFabCafe Hidaクルーが一緒にクロモジ採集した森での様子や、その後採取したクロモジを活用して開発中のあれこれをレポートします。

 

「ヒダクマ山観日」とは?

ヒダクマの森(社有林)を開放して、みなさんに普段なかなか入ることができない森に入って自由に過ごしてもらいながら一緒に森のことを考えたり話したりする取り組みです。飛騨市の面積の大部分を占める広葉樹の森。ヒダクマの森もそれらのほとんどと同じ、奥山の急峻地にある雑木林です。これまで、そこにいろいろな方々をお招きして、意見交換や小さな実験をしてきました。2019年からは、森の活用に興味がある方をどなたでもお招きして、一緒に森に入る日を設けることにしました。特別な催しはありませんが、ヒダクマスタッフや参加者のみなさんと一緒に森の中で時間を過ごしながら、森と人とのかかわりや、森の価値について、色々な方とお話をしたいと思います。

過去のヒダクマ山観日の様子は以下の記事をご覧ください。
ヒダクマ山観日。森の奥にはクマに人気の老舗レストランがあった。

今回の山観日のきっかけ

きっかけは、マザーさんが昨年開発し販売されていたクラフトコーラ。FabCafeクルーが試飲させてもらったところ、とても美味しかったんです。私たちは今年の夏のドリンクメニューに、「クラフトコーラを加えたい」とマザーさんに相談。マザーさんからは、「クロモジを入れてFabCafe Hidaのオリジナルクラフトコーラをつくろうよ!」と提案してくれました。そして、FabCafe Hidaでは恒例のクロモジコーヒーの原料になるクロモジ採取時に、お誘いしたところ「行きたいです。それなら、私お弁当作るよ!」とマザーさんから嬉しい回答をいただき、それなら、他にも同じように素材を探している人もいるかもしれないと思い、山観日を開催することにしました。参加者を募集したところ、昨年クラフトビールのお店を飛騨古川にオープンしたヒダノオクブルワリーのブリューワーの霜出さんも参加されることになりました。

ヒダクマの森へようこそ。



飛騨市役所を出発し、参加者のおふたりともに、飛騨出身であることから、地元ならではの会話を楽しみながら、舗装されていない道を登ること約数十分で到着。自己紹介をして今日のプログラムとヒダクマの社有林についてヒダクマの松本が説明。森での注意事項などをFabCafe Hidaのマネージャーの堀之内からご案内しスタートしました。

 

Program

10:00     飛騨市市役所集合/出発
10:30  到着(自己紹介、ヒダクマの活動や社有林の紹介)
               クロモジ採取スタート
12:00     ランチ(今回は、マザーさん特製ランチboxをいただきます)
      散策
               下山
14:00  解散(飛騨市市役所)

いざ、出発!



先頭を行くのは、ヒダクマの中で一番多く社有林に行っている、松本。さすが、足取り軽いです。

  • 「これが、クロモジです。枝のこの辺りを切ると、次の葉っぱが育っていきます。クロモジコーヒーになる部分は、このくらいの太さがいいんですよ。 」とマザーさんと霜出さんに説明するヒダクマの松山 。

     

  • 「この花はたくさんあるけどなんて花だろう?」と、立ち止まっては、調べたり。

森の中でかくれんぼ?自然と一体化を体験。


初夏の森の中、元気いっぱいの緑の中に紛れてクロモジを採取します。「皆さんいますかー?」と声を掛け合い、存在の確認を。一度、採り出すと楽しくてあっちにもこっちにも手が伸びます。姿が見えなくても、笑い声が森には響いていました。

森の中で知る、本物のクロモジ。

夢中になりながらも、その場でそれぞれ休憩。「摘んだ手もいい匂いするよ」と、少し嗅いでみるクロモジの香りに癒されるひととき。

  • 「このくらいあればビールつくれるかな?」霜出さんも、黙々とクロモジ採取を楽しまれてました。

  • 「今日はこのくらいにしよう。」とみなさん両手いっぱいにクロモジを抱え下山。

マザーさんの特製のお弁当で、ひと休み。

森の中でみんな食べるお弁当っておいしい。

  • 抗菌作用のある朴葉の葉は、今が旬。そんな旬を逃さないマザーさんのお弁当が朴葉に包まれていい香り。おにぎりもベーグルもどちらも入ってお腹いっぱいになりました。マザーさん、ごちそうさまでした!

  • そして、なんと霜出さんは、クラフトビールを持ってきてくださいました。「やっぱり、外で飲むビールは最高です!」と霜出さん。プライベートでも、よくヒダノオクブルワリーに通うビール大好きな、堀之内も「美味しい〜。」と大満足。

たくさんの方の協力あって活用できるクロモジ。

採取してきたクロモジはすぐに加工します。 どのように加工するかの工程は、仕分け、洗浄、カット、乾燥と至ってシンプルです。ですが、採取したあと、大量に採取したものを枝と葉っぱに分け、乾燥させる作業には、人手も時間もかかるため、ヒダクマメンバーのみならず、実はたくさんの方にご協力いただいてます。飛騨高山の環境ネットさんや、飛騨市の障がい者自立支援施設の憩いの家さんにも同作業をご協力いただいて、そこで初めてcafeのメニューに活用できる状態になったり、美味しいクロモジコーヒーなどが生産でき、お客様にご提供することができます。 

乞うご期待、夏販売予定のクラフトコーラを開発中。

沢山のスパイスを調合して作るクラフトコーラ。マザーさんが早速、試作をはじめてくださっています。クロモジを加えることで、どのような味になるのか楽しみです。

その他にも広がる、クロモジの可能性。


今回参加された、マザーさんはクラフトコーラを。ヒダノオクブルワリーの霜出さんは、クラフトビールを試作予定とのこと。また、クロモジコーヒーは枝のみを原料として使用していますが、葉っぱの部分は、まだまだ何か利用できるのではないかと模索してました。FabCafe Hidaでは、ドライにしてクロモジミルクティーや林ライスのトッピングしたり、クロモジコーヒーのギフトboxの緩衝材として活用しています。そんな副産物のクロモジリーフを有効利用するために、飛騨高山で有機栽培、自然農法のハーブを使用してハーブティーをブレンドしているアヴォンタージュさんに依頼して、ハーブティーもFabCafe Hidaのメニューに加えることになりました。 アヴォンタージュさんとは、5月に社有林に一緒に入り、クロモジを採取しました。こちらも近日中に販売予定です。 季節の変わり目などカラダを労わるドリンクとして、cafeでゆっくり時間を過ごす時などにおすすめします。情報は随時FabCafe HidaのSNS等でお知らせしますので、是非チェックしてみてくださいね。

【関連コンテンツ】

◯FabCafe Hidaのスタッフ一押しの森から生まれた「クロモジコーヒー」の魅力を詳しく紹介している記事はこちら

◯FabCafe Hidaの店頭では量り売りの販売もございます。詳しくはこちら

◯クロモジとは?クロモジについて紹介している記事はこちら

今後のヒダクマ山観日は、随時、FabCafe Hia/ヒダクマのWebサイトのイベントページでお知らせします。お楽しみに。

 

Author

  • 伊藤 優子

    FabCafe Hida/Hidakuma 森のコミュニケーター

    1986年生まれ。東濃ヒノキの産地・加子母出身。インテリア科の高校・専門学校卒業後、下呂温泉の仲居として9年間働く。2017年にFabCafe Hidaにジョインし、飛騨のまちで永く愛されるお店づくりをモットーに、cafeでのメニュー開発やイベント企画運営・宿泊を担当。定番メニューのカヌレなどを考案。地元の針葉樹の森と飛騨の広葉樹の森を繋げる架け橋になるのが夢。朝が好き。

    1986年生まれ。東濃ヒノキの産地・加子母出身。インテリア科の高校・専門学校卒業後、下呂温泉の仲居として9年間働く。2017年にFabCafe Hidaにジョインし、飛騨のまちで永く愛されるお店づくりをモットーに、cafeでのメニュー開発やイベント企画運営・宿泊を担当。定番メニューのカヌレなどを考案。地元の針葉樹の森と飛騨の広葉樹の森を繋げる架け橋になるのが夢。朝が好き。

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