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2021.10.30

新メニューほうじ茶のカヌレ開発秘話!-お茶の新しい楽しみ方とは-

10月から新メニューがリリースされ、好評をいただいている中に、一際人気を集めるほうじ茶のカヌレ。美濃加茂茶舗のほうじ茶を使用して作られた風味豊かなこのカヌレは、どのようにして開発されたのか。その誕生秘話を開発者であるカヌレ男子の方々3人に伺ってみた。開発の裏側にはどんなストーリーや、思いが隠されているのか必見です。

 

  • 青山 祥

    嗜好品プランナー/嗜好品FESTA 主催

    愛知県豊橋市出身、中京大学経済学部卒業。カフェの定額制サービス“カフェパス“で拠点立上げ等を行ない、2020年10月よりフリーランスへ転向。
    日常の中で気軽にコーヒーや嗜好品を楽しむ社会になるよう、イベントやプロデュースを行う。
    現在は、ドリップパックの定期便サービス“BLAN.CO”の事業運用や、新しい嗜好品の楽しみ方を提供する“嗜好品FESTA”のイベント運営などを行なっている。

    愛知県豊橋市出身、中京大学経済学部卒業。カフェの定額制サービス“カフェパス“で拠点立上げ等を行ない、2020年10月よりフリーランスへ転向。
    日常の中で気軽にコーヒーや嗜好品を楽しむ社会になるよう、イベントやプロデュースを行う。
    現在は、ドリップパックの定期便サービス“BLAN.CO”の事業運用や、新しい嗜好品の楽しみ方を提供する“嗜好品FESTA”のイベント運営などを行なっている。

  • 伊藤尚哉

    株式会社 茶淹 代表取締役/美濃加茂茶舗店長

    1991年愛知県出身。24歳のときに日本茶のおいしさに魅了され、2016年から名古屋の日本茶専門店・茶問屋に勤務。 2018年日本茶インストラクターの資格を取得(認定番号19-4318)愛知県支部役員 2019年日本茶ブランド「美濃加茂茶舗」の立ち上げに参画、店長に就任。 2020年美濃加茂茶舗を運営する「株式会社 茶淹(ちゃえん)」を設立。

    1991年愛知県出身。24歳のときに日本茶のおいしさに魅了され、2016年から名古屋の日本茶専門店・茶問屋に勤務。 2018年日本茶インストラクターの資格を取得(認定番号19-4318)愛知県支部役員 2019年日本茶ブランド「美濃加茂茶舗」の立ち上げに参画、店長に就任。 2020年美濃加茂茶舗を運営する「株式会社 茶淹(ちゃえん)」を設立。

  • 甲斐 慶太 / Keita Kai

    FabCafe Nagoya ストア・マネジャー、サービス開発

    1991年大分県出身。突発と偶発の機会を求めて。スペシャリティコーヒーのカフェチェーンにて顧客体験を最大化するトータルマネジメントを現場で10年経験。コーヒーの産地特性から抽出方法までの知見を持ち、経験を活かしたサービス・ドリンク・フード開発おこなう。プレーヤーとしてさらなる可能性を追い求めるため、FabCafe Nagoyaに立ち上げより携わり、名古屋における新たなコーヒーストーリーの繋ぎ手として、近郊のカフェや有識者との共創を楽しみながら実践している。また、珈琲博覧日実行委員としてCoffee Loverに東海圏のコーヒーカルチャーを伝える。

    1991年大分県出身。突発と偶発の機会を求めて。スペシャリティコーヒーのカフェチェーンにて顧客体験を最大化するトータルマネジメントを現場で10年経験。コーヒーの産地特性から抽出方法までの知見を持ち、経験を活かしたサービス・ドリンク・フード開発おこなう。プレーヤーとしてさらなる可能性を追い求めるため、FabCafe Nagoyaに立ち上げより携わり、名古屋における新たなコーヒーストーリーの繋ぎ手として、近郊のカフェや有識者との共創を楽しみながら実践している。また、珈琲博覧日実行委員としてCoffee Loverに東海圏のコーヒーカルチャーを伝える。

単刀直入ですが”カヌレ男子”ってなんですか。

甲斐:カヌレが好きな男子です。

そのままですね!(笑)カヌレ男子のみなさんは、普段どのような活動をされているのですか。

青山:僕は嗜好品プランナーとして、嗜好品に関する事業の運営やイベントの立案などを行っています。自分が楽しいと思えることを追求して、活動しており、コーヒーだけに囚われず嗜好品という大きいカテゴリーで自分を成長させたいと思っています。

伊藤:僕は、日本茶ブランド美濃加茂茶舗を運営する株式会社 茶淹(ちゃえん)の代表です。美濃加茂茶舗は、お客さんを待つだけではなく、いろんな店舗に提案して、もっと身近にお茶に触れる、お茶との接点を作っていけるような活動をしています。

甲斐:FabCafe Nagoyaでカフェマネージャーをやっていて、普段はバリスタとして店頭に立っています。FabCafe Nagoyaはクリエイターさんやパートナー企業と共に、イノベーションを起こしていく会社で、その様な場所であるために、お客様を笑顔で歓迎し、会話から始まる場所としてのカフェの機能に価値を置き、地域社会とどう接続していくか仕事を通して追求しています。

皆さん異なる場所でお仕事をされているようですが、どのようにして出会われ、今回のカヌレを作ることになったのでしょうか。

伊藤:最初はここ(伊藤と青山)が知り合いだったんだよね。青山くんがFabCafeによく行ってて、僕もFabCafeに通うようになって自然と甲斐くんとも話すようになった。

甲斐:最初、緑色のマスクでお茶屋ですって自己紹介してたよね!印象的だった(笑)

青山:実はカヌレ作る前に、3人でエスプレッソマシンでお茶入れようって実験したんだよね。でもその時は成功しなくて、そのまま終わっちゃった。

伊藤:その後、たまたま甲斐くんとマーケット的なのに行った時、カヌレが売られてたんだよ。

甲斐:そうそう、「カヌレ好きなんだよねー」って言ってたら、伊藤くんも「え、俺も好き」ってお互いなって、買って食べたら、これ作れるんじゃね?って。その時、たまたまFabCafeクルー(スタッフ)の中にカヌレ作れる子がいて、無茶振りで作ってもらったんだよね。それが美味しくて、美濃加茂茶舗のほうじ茶を入れてみたら面白くない?ってなって作ったかな。

伊藤:その時は作ってどうするっていうアウトプットの形は決まってなくて、あくまでもお茶を使ったお菓子あったら面白いし、食べてみたいよねって、内輪な感じで作った(笑)

青山:ほんと遊びって言葉が正しいよね(笑)

遊びからはじまったものが商品化され、実際に食べたお客様から美味しいっというお声を沢山いただいてます。しかも今季スイーツの中で一番売れているみたいですよ。

ほうじ茶のカヌレ

伊藤:いや、それはありがたいですね。

甲斐:そんなにカヌレを食べ慣れてない人からすると、あのサイズ感で320円って、ちょっと高いって思うかもなんだよね。それでもわざわざ美味しいって言葉にして伝えてくれるのは凄い嬉しい。

カヌレを通してお客さんに伝えたいことはありますか?

青山:「あ、こんな組み合わせもありなんだ!」と、お茶とお菓子、それぞれの楽しみ方を広がるきっかけになれたら嬉しいかな。もっと自由に楽しみ方を広げてみて欲しい。

甲斐:まずは、僕が好きなカヌレを伝えたい。あわよくば、カヌレを食べて感じるほうじ茶のフレーバーから美濃加茂茶舗の美味しさを知ってもらえたらなと思う。

伊藤さんはどうでしょうか。今回ほうじ茶の粉末を「お茶で飲む」形ではなく、「お菓子として」ほうじ茶を提供していますが。それについてはどうお考えですか。

伊藤:うちは必ずしも最初から急須で淹れて「飲むお茶」っていうとこに、そこまでこだわっていなくて、スイーツなど「食べるお茶」にもチャレンジする価値があると思っているんです。お茶業界でよく、最近若者がお茶を飲まなくなったよねって言われてるんですけど、実は、お茶市場のお茶の売り上げや市場規模って、ここ20年くらい変わっていないんですよ。

甲斐:え、そうなの?

伊藤:そうそう。お茶を飲む形態が変わっただけなんだよね。
お茶屋は急須で淹れるお茶を飲んで欲しいけど、最近だとおばあちゃんちとか高級なお店とかでしか飲まれていない。ペットボトルのお茶は、自販機やコンビニで手軽に買われていて、その中間点がないように感じるんですよね。

使ってる茶葉は高品質だけど、現代の暮らしや働き方にあったお茶の楽しみ方やシーンの提案が少ないんだ。お茶っていろんなアウトプットの形があるから、どんな風にでも楽しんでもらったらいいと思う。

今回のほうじ茶のカヌレも、自分達が好きだったってのもあるけど、自然に口にして、ほうじ茶やお茶っていろんな使われ方があって美味しいよね、っていうポジティブなイメージと接点を作っていきたいんだよね。そういう積み重ねで、じゃあ次はちゃんとお茶淹れてみようかなっていうのに繋がっていくんじゃないかなと思います。

今のお話を聞いていて、お茶とコーヒーってすごく似てるなって感じました。お茶屋さんは急須でお茶を淹れたくて、バリスタはドリッパーでコーヒーを淹れたい。私のイメージではお茶とコーヒーって似ているようで相反するもの同士だったんですよね。印象がとても覆されました。

甲斐:確かに似ていると思うし、そうでありたいと思うよ。僕はバリスタで、コーヒーって言う「液体」を淹れる仕事をしてるけど、日本に昔からある「液体」って、やっぱりお茶なのかなって思った。で、その時に、僕が日本人のバリスタであるプライドとして、日本茶を知る意味があるんじゃないかなとも思ったんだよね。
例えば、世界で活躍するファッションデザイナーは、着物の仕立て方まで熟知している。でもその人たちは別に着物を作るために勉強したんじゃなくて、世界で通用するために日本の文化である着物を学んだ。日本のものを深く知ることは、僕の場合コーヒーを追求する上ですごく大切なことなのかなって思います。 JAPAN PRIDE…

だから、今回美濃加茂茶舗とのほうじ茶のスイーツのコラボってところから、じゃあ次は実際に煎茶を提供していこうと思っています。

おぉ!では次は実際にお茶を淹れていくのですね。

甲斐:はい。FabCafe Nagoyaで煎茶ドリップを11月1日のお茶の日から提供を始めようと思っています。
バリスタがドリッパーを使ってお茶を淹れます!

ドリッパーでお茶を淹れるんですか…?

甲斐:伊藤くんがさっき言っていたように、高品質だけどカジュアルに楽しめるお茶っていうものをFabCafeで提案していきたい。ドリッパーで淹れる理由は、新しく茶器を買うよりも、導入しやすいカフェの器具を使いたいと思ったんだよね。それに、バリスタがドリッパーでお茶を淹れるのかっこよくない?こんな動きが、他のカフェにも波紋の様に広がっていけば、さらに面白いんじゃないかなとも思う。
あと、もう一つ理由があって、コロナ禍でおうちカフェの需要がすごい増えたみたいで、コーヒーの抽出器具が良く売れたらしいんだよね。だから、お客様が持っている器具でおうちでもお茶を淹れられるような提案をしたい。

お茶をドリッパーで淹れる甲斐

かなり新しいスタイルですね。ドリッパーを使ってお茶を淹れる姿は見たことがない!とても興味深いです。
でも伊藤さん、急須でもなく、ドリッパーでお茶をいれるなんて、お茶屋さんからするとどうなんですか?アリなんですか?

伊藤:いや、まさにやりたかったことのひとつだね。
自分の興味とビジネス的な2つの側面があるんだけど、自分としては、バリスタが丁寧に計量してお茶を淹れている姿を見てみたい。お茶を淹れる人って、茶葉の量も温度も計測しない、割と感覚でお茶を淹れてるんだ。その日の環境や淹れる相手によって味を変えるって人も多いんだけど、それが良さである一方で、これまで日本茶に触れる機会が少なかった人にはバリスタくらい丁寧に計量してお茶を淹れる方法を示してあげてもいい時代だと思う。
ビジネス面では、名古屋の根付いている喫茶文化にお茶が入り込むことが出来たら、カフェにおけるお茶の市場を広げていけるんじゃないかって考えてる。やってみる価値は十分にあるんじゃないかな。
この2つがあるから、コーヒー屋さんでお茶が提供されることやバリスタがお茶を淹れることに対して、抵抗感とか全く無く、むしろ襖を広げることに繋がっていくと思っています。

新しいことに挑戦していく姿勢、素晴らしいです。これから先、コーヒー屋さんでお茶が飲めるのが日常になっていくのかもしれないですね。

伊藤:そうだね。それがもう当たり前の時代になっていくんだろうなと。そうやって選択肢を増やしていきたい。選択肢があれば、お客さんの体験に対していい影響になるし、お茶の体験をしていただければ、淹れ方などを提案できると思うんです。

ドリッパーでお茶を入れるのは初めてですか。

伊藤:初めてですね。お客さんの反応が楽しみ。まずは頼んでくれるかっていうところ含めてだけど。

以前、伊藤さんのお茶を飲ませていただいて、もうめちゃめちゃ美味しかったんですよね。甘かったな〜。
また飲みたいと思いながら、でも店舗もないし、、次いつ伊藤さんが淹れてくれるお茶飲めるんでしょうか?

伊藤:来月11月6日に青山くん主催の第3回となる「嗜好品FESTA」で淹れます!せっかくなので、普段うちでも出さないお茶とかを出していきたいなと、あとは、一緒に出店するお店とのペアリングとかで今までにないようなものを出していけたらなと思います!ぜひきてください!


  • 美濃加茂茶舗

    日本茶

    「日常に、小休止を。」をコンセプトに、岐阜県東白川村産の茶葉と、日本茶を現代の暮らしに取り入れるための器を取り扱う日本茶ブランド美濃加茂茶舗。 美濃加茂茶舗が生まれた美濃地方は、お茶文化の聖地。千利休や古田織部に代表される茶の湯文化の隆盛期、美濃は茶碗の一大ブランド産地でした。 栽培限界と言われる標高600mに位置する岐阜県東白川村の茶畑で生産された茶葉は、格別の香りと深い味わいが特徴。 日本茶を現代の人がうまく休むための「道具」と捉え、次に進む原動力としての日本茶の在り方を提案しています。

    「日常に、小休止を。」をコンセプトに、岐阜県東白川村産の茶葉と、日本茶を現代の暮らしに取り入れるための器を取り扱う日本茶ブランド美濃加茂茶舗。 美濃加茂茶舗が生まれた美濃地方は、お茶文化の聖地。千利休や古田織部に代表される茶の湯文化の隆盛期、美濃は茶碗の一大ブランド産地でした。 栽培限界と言われる標高600mに位置する岐阜県東白川村の茶畑で生産された茶葉は、格別の香りと深い味わいが特徴。 日本茶を現代の人がうまく休むための「道具」と捉え、次に進む原動力としての日本茶の在り方を提案しています。

11/6 嗜好品FESTA

名古屋地区で活動する20-35歳の若手嗜好品プレイヤーの横のつながりを作り、ドリンクとフードメニューを通してさらなるイノベーションを起こす”嗜好品FESTA”。前回よりもさらに多くの出店者を迎え、新しい嗜好品との出会いをお楽しみいただくことができます。ぜひ、多種多様な秋の味覚をご賞味ください。

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