FabCafe Tokyoでは世界中の色々なコーヒー豆を、様々なロースターさんたちを通じて定期的にご用意しています。
一杯のコーヒーの背景に広がる様々な物語を皆様にお届けします!
このブログを通してFabCafe Tokyoのコーヒーに興味が湧いたり、コーヒーが好きになってくれたら幸いです。
皆さんのFabCafeでのコーヒーライフがもっと素敵な時間になりますように!
KENYA
– Kii Factory –
roasted by
FUGLEN COFFEE ROASTERS TOKYO
レッドカラントやブラッドオレンジの果実味、ハイビスカスの風味。
ブラウンシュガーの余韻。
手を取り合い、同じ想いで。
わがままをいうならば、見るだけでなく味わいでも秋を楽しみたい。そんなコーヒーラバーたちに捧げるおすすめの一杯をご紹介。
赤、黄色、黄緑、緑。色彩豊かな秋の季節にぴったりのコーヒー、それが「Kenya AA Kii」です。このコーヒーは、ケニアのキリニャガ県に位置するKii Factoryで栽培され、標高1,600〜1,800メートルの高地で生まれた豆です。標高が高いということは、それだけ太陽の影響を受けやすいということ。昼夜の温度差が大きく、コーヒー豆はゆっくりと成熟し、より深いフレーバーを生み出すことができます。また、Kii Factoryでは、ウォッシュドプロセスを採用しており、このプロセスはクリーンで明瞭なフレーバーを引き出してくれます。その結果、このコーヒーにはレッドカラントやブラッドオレンジの果実味に加え、ハイビスカスの華やかな風味やブラウンシュガーのこっくりとした深い甘さが感じられ、フルボディでありながら、ワインのようなフルーティーさとクリーンな後味を楽しむことができます。まさに秋が織りなす色彩の豊かさやその移ろいを、コーヒーの味わいに投影させて楽しむのにぴったりの一杯です。
このKii Factoryが属するルンゲト生産者協同組合(Rung’eto Farmers Cooperative Society)は、ケニアのキリニャガ郡に拠点を置く農業協同組合です。ルンゲト協同組合は、1950年代に資産を多く保有していた名門のンギリアマ協同組合が解散後、その元メンバーによって1997年に設立されました。設立当初は、元々の1,150人のメンバーが集まり、キアンゴイ(Kiangoi)、カリミクイ(Karimikui)、そしてキイ(Kii)などの3つの工場が再開されました。ルンゲト協同組合では、品質の高いコーヒーを安定的に供給するために、厳密な選別作業を行い、完熟したチェリーのみを処理しています。このような品質管理によって、協同組合のメンバーは、収穫された豆が市場に出る段階で高い品質を保ち、安定した取引が可能となるのです。
現在、ルンゲト協同組合は、コーヒー栽培と並行して乳製品の冷却プラントを運営。月に120,000リットル以上の牛乳を集め、ケニア最大の乳製品企業の一つに供給しています。
コーヒーのみならず別分野でも成功を収めることは、農家の収入源の多様化と安定化、地域の経済活動の活性化を支えています。
このようにコーヒー栽培において協同組合は、農家同士が協力し合い、個々の農家では達成の難しい目標を達成する重要な役割を担っています。特に、小規模農家が中心となって構成されており、農家が一丸となって栽培から収穫、加工、販売までの全てを共同で行っています。協同組合がコーヒー産業において果たす役割は、単にコーヒーを販売することにとどまりません。
そもそも協同組合とはどのようなものなのでしょうか?
協同組合とは、共通の目的を持つ人々が自主的に集まり、お互いに助け合いながら運営する組織のことを指します。平等な意思決定を根幹に、地域や生活の課題を解決するために活動し、利益が出た場合は組合員に分配したり、さらに良い活動のために使ったりする仕組みです。
例えば、小規模なコーヒー生産者は単独では輸出市場や大規模な購買業者に直接アクセスすることが難しい場合が多く、その原因として、生産量が少なく安定して市場に供給することが難しいこと、品質基準を満たすための技術や設備が不足していること、物流の輸送や手配が困難であること、さらに交渉力が弱く不当に低い価格で買い叩かれるリスクがある等の理由が挙げられます。しかしそこで、協同組合を通じで「小規模生産者が協力し、コーヒーをまとめて販売する」というステップを組み込むことにより、安定した量と品質を確保し、大手バイヤーや輸出市場との取引が可能になるのです。よって、公正な価格でコーヒーを販売することができる上に、中間業者に対する依存を防ぐことができ、それに伴い収益性が向上します。
また、協同組合は栽培技術や品質向上のためのトレーニングや資材・設備の共同購入を提供し、農家が高品質のコーヒーを生産できるようサポートします。多くの小規模農家は教育や研修の機会が限られており、効率的な栽培方法や品質管理の知識が不足しているのが現実です。農村部に住むことが多いため、情報や教材が届きにくく、資金面でも有料のプログラムや技術導入が難しい状況にあります。しかし、協同組合に参加することで、これらの課題に対してより効率的な解決策を提供できるようになります。
他にも、農業は天候や市場変動といったリスクが付きものですが、小規模農家は農地や資金が限られているため、災害や価格変動の影響を緩和する手段が乏しく、収入源が農業にほぼ依存しているため代替手段がなく、さらに保険や金融サービスへのアクセスも限られているため、大規模農家に比べてその影響を受けやすい傾向にあります。対して、協同組合に入っていると、農家同士が共同でリスクを分散し、災害時や価格変動時に備えることができます。また、協同組合がまとめて融資を受け、農家に資金を提供することも可能です。その結果として、生産を維持しやすくなり、予測不能な事態にも対応できる力がつきます。協同組合の活動は個々の農家だけではなく、地域全体にも利益をもたらします。例えば、コーヒー栽培を通して得た利益を地域インフラ(学校、医療施設、水供給など)の改善に使うことができます。 よって農家の生活の質が向上し、地域社会全体が持続的に発展します。
このようにコーヒー産業において、協同組合は、小規模農家をつなぎ支え、コーヒー産業全体の安定と発展を促す「架け橋」として、非常に重要な役割を担っているのです。
大きいも小さいも関係ない。
「より良いものをより多くの人に届けたい」と思う気持ちが
海や空を超えて多くの人たちに届きますように
FabCafe Tokyo バリスタ
篠田花
生産国 |
KENYA |
生産地域 | Kirinyaga > Embu |
生産者組合 | Rung’eto Farmers Cooperative Society |
標高 | 1,600~1,800メートル |
精製方法 | Washed |
品種 | SL28, SL34, Ruiru-11, and Batian |
焙煎 |
FUGLEN COFFEE ROASTERS TOKYO |
コメント |
ブラッドオレンジやレッドカラントのような強い果実味と、ハイビスカスの風味と酸味、余韻には優しい甘さが感じられます。 |
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FUGLEN COFFEE ROASTERS
2012年に海外進出第一号店として “FUGLEN TOKYO”を誕生させ、ノルウェーのコーヒーカルチャーを紹介すると同時に、移り変わる東京のコーヒーシーンからも多くを得ました。
そして、2年後の2014年、私たち FUGLEN COFFEE ROASTERS は 最高品質のコーヒーを焙煎するマイクロロースターとして東京・渋谷で焙煎を始めました。
私たちは季節毎の、新鮮で最高においしいコーヒーを世界中の農園から、透明性の高いルートで購入しています。
また毎年生産者を訪ね、コーヒーが栽培される環境や、生産される工程を確認し、生産者と私たちが、ともに幸せになれるコーヒーを提供するようつとめています。web : https://fuglencoffee.jp/
2012年に海外進出第一号店として “FUGLEN TOKYO”を誕生させ、ノルウェーのコーヒーカルチャーを紹介すると同時に、移り変わる東京のコーヒーシーンからも多くを得ました。
そして、2年後の2014年、私たち FUGLEN COFFEE ROASTERS は 最高品質のコーヒーを焙煎するマイクロロースターとして東京・渋谷で焙煎を始めました。
私たちは季節毎の、新鮮で最高においしいコーヒーを世界中の農園から、透明性の高いルートで購入しています。
また毎年生産者を訪ね、コーヒーが栽培される環境や、生産される工程を確認し、生産者と私たちが、ともに幸せになれるコーヒーを提供するようつとめています。web : https://fuglencoffee.jp/
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篠田花
FabCafe バリスタ
大学在学中、FabCafe FUJIに設立当初からアルバイトとして勤務。
卒業後はFabCafe Tokyoでバリスタとして働きつつも、イベントの企画やマガジン執筆にも挑戦中。
人の言葉に触れること、音楽、猫、海、祖父が好き。大学在学中、FabCafe FUJIに設立当初からアルバイトとして勤務。
卒業後はFabCafe Tokyoでバリスタとして働きつつも、イベントの企画やマガジン執筆にも挑戦中。
人の言葉に触れること、音楽、猫、海、祖父が好き。