Column

2024.5.21

【Coffee Magazine】COSTARICA Ca Lia 「豊かな自然と兄弟の情熱が生む、繊細で美しい味」

Costarica
Ca・Lia

FabCafe編集部

FabCafe Tokyoでは世界中の色々なコーヒー豆を、様々なロースターさんたちを通じて定期的にご用意しています。

一杯のコーヒーの背景に広がる様々な物語を皆様にお届けします!
このブログを通してFabCafe Tokyoのコーヒーに興味が湧いたり、コーヒーが好きになってくれたら幸いです。

皆さんのFabCafeでのコーヒーライフがもっと素敵な時間になりますように!

COSTARICA
– Ca Lia –
roasted by
LILCRIB COFFEE

オレンジやレモンのようなさわやかな味わいの後
ハチミツの香りやまるい甘さで、心が落ち着くコーヒーです

豊かな自然と兄弟の情熱が生む、繊細で美しい味

 コスタリカの地形は、中央アメリカに位置し、その特徴的な火山活動によって形成された山々や急峻な斜面が、コーヒー栽培において重要な役割を果たしています。標高の変化が豊富であるため、異なる標高帯では微気候が異なり、これがコーヒー豆の風味プロファイルに多様性をもたらしています。気候は熱帯気候と高山気候が交差するため、年間を通して穏やかな温度と豊富な降水量が保たれ、これが高品質なコーヒーの栽培に適しています。特に標高の高い地域では、太陽光線が豊富であり風通しが良くカビや病害虫のリスクが低いため、コーヒー豆の熟成と風味形成に理想的な環境が整っています。また、火山活動によって形成された土壌は豊かな栄養分を含み、コーヒー豆の栄養吸収をサポートしています。このような地形と気候条件は、コスタリカが世界的に高品質なコーヒーを生産する理由の一つとして挙げられます。

 もう一つ、コスタリカが世界的に高品質なコーヒーを生産できるようになった重要な出来事に、「マイクロミル革命」があります。従来コスタリカのコーヒー産業では、生産者は農協や集荷業者、輸出業者にコーヒーチェリーを売る流通形態が一般的でした。しかし、この方法では生産者の収入が低く、特に標高の高い農園や在来品種の生産者は不利な状況に置かれていました。そこで2000年代前半に生まれたのが「マイクロミル革命」です。この革命では、生産者自身が小規模のウェットミルを作り、栽培から水洗処理、乾燥まで一貫して管理し、高品質なコーヒーを高い価格で販売することを目指しました。エルバスやエエルサル、ブルマス、カンデリージャ、ドンマヨなどの地域で「マイクロミル」が誕生し、新しい生産処理として「ハニーコーヒー」が採用されました。また、品質管理や生産方法の改善にも取り組み、コーヒーの品質向上を図りました。こうした取り組みにより、コスタリカの適した地形・気候条件を活かし、マイクロミルを用いた一貫したプロセスを行うことで、品質を社会的かつ持続的に結びつけることができるようになりました。

 そんなコスタリカの地に農園を構えるラ・リア・マイクロミルは、ルイス・アルベルト・モンゲ・ウレーナ兄弟が2008年に立ち上げたマイクロミルです。初年度からCOEで9位に入賞し、その後も2018年までに4度の上位10位入りを果たし、その実績は輝かしいものです。規模は小さいながらも最新の設備を備え、農園に近い場所で丁寧な水洗処理や選別、乾燥が行われています。兄弟が切り盛りするこのマイクロミルは、品質に対する気配りが行き届いており、その丁寧な仕事ぶりがCOEでも高い評価を受けています。彼らが2013年に購入したピエサン農園は、タラスの中でも注目されるSan Francisco地区に位置しています。標高が2000メートル近くに達し、斜面が険しく、周囲には山々が連なります。夜は特に冷え込みが激しく、高地での栽培は大きな挑戦でした。自身の微生物研究の成果を活かし、肥料の分解効率を高めるなどの改良を試みましたが、日中の寒冷な風や貿易風による葉の痛みなど厳しい環境に直面しました。その後約4年間の試行錯誤を重ね、防風対策やシェードの位置や高さの調整などの努力を経て、世界中から高い評価を受けるピエサン農園の”今”に繋がっています。こうして、ラ・リア・マイクロミルが手がけるピエサン農園は厳しい自然の試練を乗り越え、その独自の風味を磨き上げました。
彼らの情熱が、特有の繊細で美しい風味を生み出し続けているのです。

 

FabCafe バリスタ
篠田花

生産国

COSTARICA

生産地域 El Pantanal
生産者 Caballero
標高 1,500-1,600
精製方法 Washed
品種 Catuai

焙煎

LILCRIB COFFEE
コメント

クリーミーな口当たりでプラムやドライフルーツのような果実味の後にブラウンシュガーの甘さが続きます。

  • LILCRIBCOFFEE

    ”お店を持たない珈琲屋”

    オーストラリアや日本でのキャリアを経て、2021年より活動開始。自家焙煎で、コーヒー本来が持つ甘さや個性を引き出す表現を行う
    「珈琲を通じて人の繋がりをカタチにする」をテーマに、POPUPや音楽イベントを開催し、ちょっぴりのワクワクと美味しい珈琲をお届けしています。2024年秋に、新しい挑戦をスタート…..

    LILCRIBCOFFEE HP : https://lilcribcoffee.com/

    オーストラリアや日本でのキャリアを経て、2021年より活動開始。自家焙煎で、コーヒー本来が持つ甘さや個性を引き出す表現を行う
    「珈琲を通じて人の繋がりをカタチにする」をテーマに、POPUPや音楽イベントを開催し、ちょっぴりのワクワクと美味しい珈琲をお届けしています。2024年秋に、新しい挑戦をスタート…..

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    FabCafe PRチームを中心に作成した記事です。

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